あなたは、最強の集客法を知っていますか?
それは「返報性の法則(原理)」の”本質”を理解し、行動することです。
「返報性の法則」は、マーケティングの世界ではとても有名な手法のひとつですよね。
なのでその内容を知っている方はたくさんいると思います。
けれども、その”本質”を理解し、実践できている方は意外と少ないのではないでしょうか?
そこがわかれば、
- 集客をうまくいかせたい
というお悩みはもちろん、
- ビジネスを良い波に乗せたい
- うまく営業できるようになりたい
- 人間関係を円滑にしたい
- 気になるあの子に振り向いて欲しい
などというお悩みも解決できるかもしれません。
ということで今回は、そんな最強の集客法である「返報性の法則」の”本質”と気をつけるべきポイントについてご紹介しています。
集客のコツは、返報性の法則にあり
- 集客をスムーズにできたらいいな
- もっとうまく集客する方法はないかなぁ
- 売り上げが上がるように営業能力をもっと磨きたいなぁ
- ビジネスで成功したいな
なんて思いませんか?
実は、集客が苦手な人は、返報性の法則の”本質”を理解できていないんです。
「え?!返報性の法則に”本質”なんてあるの?」と思われた方も多いと思いますので、これから詳しく説明していきますね。
返報性の法則(原理)とは?
そもそも返報性の法則とは、人から何かをしてもらった時に、「自分も同じように何かしないと申し訳ない」と、自然と「お返し」したくなる心理のことです。
なぜなら、与えられたら自然と与え返したくなるのが人だからです。
例えばお店で、最初は全然買うつもりじゃなかったのに、定員さんから丁寧に接客をしてもらって、つい商品を買ってしまった、なんて経験ありませんか?
実は人間は、人種や性別は関係なく、全人類共通で、「与えられたら返したくなる」という本能を持っている生き物なのです。
ちなみに、この返報性の法則は、マーケティングのバイブルと言われる『影響力の武器』で社会心理学者のロバート・B・チャルディーニ氏が「説得の技術」として紹介したことでもとても有名です。
本質的なマーケティング手法について詳しく知りたい方は、ぜひ一度、本書も読まれるといいと思います。(『影響力の武器』amazon公式ページはこちら)
集客と返報性の法則
この法則は、集客する場面でも同じように効力を発揮します。
例えばあなたが、ある人から、「今度、こういうイベントをするんだけど、よかったら来ない?」と誘われたとします。
もしそれが、普段そんなに関わりのない人からの誘いなら、「興味ないし、別にいいかな〜」と断るかもしれませんが、いつもお世話になっている人なら「いつも良くしてもらってるし、少しでも貢献できたら嬉しいから行こうかな」となると思いませんか?
このことから、集客には、普段から人に「ギブをする」ということが大切だということがおわかりいただけると思います。
成功者といわれる人たちは、寄付をしたり、人にギブをすることが当たり前に身についているんですよね。
ちなみ、これを違う視点で見ると、「エネルギーの循環」ができているということになります。
エネルギーの定義や活用方法については、これらの記事もよければどうぞ。
返報性の法則 4パターン
さて、そんな返報性の法則には、以下の4パターンがあります。
これらを知ることで、より積極的に活用したり、気をつけることができることでしょう。
- 好意の返報性
- 敵意の返報性
- 譲歩の返報性
- 自己開示の返報性
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう!
好意の返報性
好意の返報性とは、相手から好意を受けた時に、同じように好意を返したくなる心理のことです。
例えば、誰かから好きと言われたら、何だか自分も相手のことが好きになってくるような気がする…、という感じです。
これは恋愛にもぜひ使えるテクニックだと思います。
恋愛以外でも、
- 相手に褒められると、自分も褒めたくなる
- 親切にされると、親切にしたくなる
- SNSでいいねをつけてもらえると、いいね返しをしたくなる
という風に、普段から自然に私たちには返報性の法則が働いています。
「情けは人のためならず」と言いますが、このことわざは本当に的を射ていて、もし人から良くして欲しいなら、まずは先に自分から人が喜ぶようなことをしよう、ということが言えるでしょう。
敵意の返報性
逆に、相手から敵意や良くない感情を向けられ、同じようにそれを返したくなる心理を
を敵意の返報性と言います。
これは、「お返し」ではなく「仕返し」の方ですね。
例えば、
- 嫌がらせをされたらやり返したくなる
- 嫌な態度を取られると、こっちも雑な対応をしたくなる
などです。
また最近では、何か気に入らないことをされた時に、それを口コミやSNSなどで拡散するという敵意の返し方もありますね。
返報性の法則には、このようなネガティブにはネガティブで返したくなるという負の側面があることも心に留めておきましょう。
譲歩の返報性
譲歩の返報性とは、「相手が譲歩してくれたから、次は自分が譲歩しよう」というように働く心理のことです。
これは、「人からの親切を返すこと」という意味では、好意の返報性に近いと言えるでしょう。
この場合の例としては、
- 以前に、順番を先に譲ってくれたから、今回は相手に先に譲る
- 先に自分に選ばせてくれたから、次は相手に優先的に選ばせてあげる
というようなことです。
この法則は、後で詳しくご説明しますが、「ドア・イン・ザ・フェイス」という交渉術にも応用されています。
自己開示の返報性
自分が先に本音を言うことで、相手も「この人とは自分も心を開いて接しよう」と思ってくれる心理。これが自己開示の返報性です。
例えば、初対面の人が先に気さくに話しかけてくれて、自分も心を開いて接しやすくなったということはありませんか?
初対面や慣れない人と接する時には、ついつい緊張してしまいますよね。
でも、思い切って先に自分から素を出し、気さくな感じで接することで、相手も心を開こうと思ってくれ、心理的な距離が縮まりやすくなります。
返報性の法則の活用方法
”ギブ”をする
最初の方法は、自分から相手に何かを無償で与える=「ギブをする」というものです。
これは、いわゆる”貸し”をつくるということでもあります。
スーパーの試食コーナーでも、何気なく勧められて試食をしてしまったら、「食べさせてもらったし、何か買わないと申し訳ない」という気持ちが生まれますよね。
これは、この返報性の法則を利用した販売戦略です。
デパートの化粧品売り場のお試しメイク、無料サンプル、○日間のお試し利用、また「全額返金保証」などもこれに当たります。
けれども、「ギブをする」というこの行いは、セールスやビジネスの場面だけでなく、ぜひ普段から周りの方々に意識してされることをおすすめします。
すると、ビジネスだけでなく、日頃の人間関係も円滑にまわりやすくなることでしょう。
またこれらの記事も、”ギブ”のヒントになると思います。
ドア・イン・ザ・フェイス(door in the face)
こちらは、先ほどご紹介した「譲歩の返報性」を応用した方法です。
「譲歩の返報性」とは、「譲歩してもらうと、自分も譲歩したくなる」というものでしたね。
「ドア・イン・ザ・フェイス」は、最初に敢えて難しめの要求をし、そこから徐々に要求のレベルを下げていくことで、相手の承諾を引き出すという交渉術です。
例えば、人から「10万円貸して欲しい!」と言われ、断ったら、「じゃあ、1万円でいいから。お願い!」と言われると、要求を譲歩してもらったという”借りをつくった”感覚と、要求を断ってしまったという罪悪感から、ついOKしてしまう可能性が高くなるのです。
【まめ知識】フット・イン・ザ・ドア(foot in the door)
一方で、「ドア・イン・ザ・フェイス」とは逆の「フット・イン・ザ・ドア」という交渉術も存在します。
これは、「返報性の法則」とはまた別の、「一貫性の法則」というものを利用した方法で、最初に相手に小さな要求を呑ませ、徐々にその要求を大きくしていくことで、最終的に、目的となる要求を承諾させるテクニックです。
「段階的要請法」とも呼ばれるこの方法は、人間の「一度ある立場を取ったら、その立場を簡単に変えたくない」「意見を簡単に変える人だと思われたくない」という「一貫性の法則」の心理が働く仕組みを利用したものです。
例えば、訪問セールスなどで「5分だけでいいのでお話しを聞いてもらえませんか?」と言われ、OKしてしまうと、「じゃあ、簡単なアンケートに答えてもらえませんか?」「1ヶ月間無料なので、実際に試してみませんか?」、というような感じで次々と出される要求についOKしやすくなってしまうんです。
ドア・イン・ザ・フェイスとフット・イン・ザ・ドアの使い分け
この2つの使い分けとしては、「最初の要求を承諾してもらえそうかどうか」で選択が変わってきます。
最初に小さな要求から出していけそうなものは「フット・イン・ザ・ドア」を使い、提案できそうな小さな要求がない時は、一見譲歩したように見える「ドア・イン・ザ・フェイス」が向いていると言えるでしょう。
気をつけるべきポイント
返報性の法則は、使い方を間違えるとトラブルの元になったり、むしろ逆効果になることがあるので気をつけてください。
ということで、ここからは気をつけてほしいポイントをご紹介しますね。
決して「見返り」を期待しない
ギブをするときは、決して見返りを期待しないでください。
相手に「下心がある」と思われてしまうと、返報性の法則が働かないどころか、逆効果になって、嫌がられたり、悪評が立ったりするなどのネガティブな結果につながる可能性が高くなってしまうからです。
本当に大事なのは、「相手に喜んでほしい」「相手の役に立ちたい」という純粋な想いです!
「相手に喜んでもらえたらそれでOK!」という心持ちでギブし、その後は「いつかどこかから(本人以外でも)返ってきたらラッキー」という風に、結果を手放すようにしましょう。
「ギブ&テイク」の概念を外そう!
一般的に、返報性の法則の注意点として、「ギブ&テイクのバランスを考えて与えることが大切」と言われます。
けれども本当にそうでしょうか?
確かに、まだそんなに関係性ができていない相手に高額なブランド物などを贈ると、さすがにそれは、気持ち悪がられたり、下心があるのではないかと嫌悪感を抱かれ、警戒されるかもしれません。
そして何より、相手に大きな負担を感じさせてしまうのは本意ではありませんよね。
でも、「ギブ&テイクのバランス」を気をつけないといけないのは、あくまでも「返報性の法則を”使おう”」と作為的な気持ちがある時であって、本当に心から「相手に喜んで欲しい」という純粋な気持ちがある時は、素直にそのまま”ギブ”すればいいと私は思います。
「ギブ&テイク」の概念を外した、その見返りを求めない素直な気持ちやエネルギーは相手に届くはず!
何よりもそれが大切だと思うのです。
ギブする前に気をつけて欲しいこと
ただ、誰かにギブする際に気をつけて欲しいことがあります。
それは、ギブする前に「これは本当に相手が喜ぶことなのか」と一呼吸置いて少し考えるということです。
この時、「相手は”絶対に”喜んでくれる”はず”!」「相手にとってはこれがいいに”決まってる”!」「こうする”べき”!」というような、「ねばべき」の感覚はありませんか?
そういう場合は、ただの押し付けやありがた迷惑になる可能性もあるので、思っているよりは少し控えめにギブしてみるのもいいかもしれません。
避けるべき相手
残念ながら、避けた方がよい人というのも存在します。
それは、ギブしているのに、一向に満足せず、「もっともっと」と要求してくるような相手のことです。
このような人は、「もらって当たり前」の精神だったり、奪うことに価値を置いてしまっている場合があります。
せっかくなら自分のエネルギーや労力は、気持ちよく循環できる人に使いたいですよね?
なので、このような人にはできれば近づかない方が良いでしょう。
本質は「ギブ&ギブ」
これまで、返報性の法則についてさまざまな情報をお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか?
なんだかんだ言っても、本質は、「返報性の法則をうまく使って、どう見返りを得ようとするか」ではなく、「どう周りの人に喜んでもらえるかを考え、行動する」という「ギブ&ギブ」の精神にあると私は思います。
最終的に、巡り巡って自分の利益になる結果につながるという点では、表面上は同じかもしれません。
けれども、作為的な気持ちを一旦置いて、「ギブ&テイク」ではなく、見返りを求めずに「ギブ&ギブ」し続けること。
結局はこれが、最強の集客法であり、ひいてはビジネスや人間関係など、あらゆる物事を良い方向へ行きやすくする秘訣だと思うのです。
ぜひよかったら、ギブ&ギブを日常で意識してみてくださいね。
今回も最後までお読みくださりありがとうございました!